2026/05/03 05:34
いっちょ泳がせてもらおうかのお 皆さまこんにちは。風薫る五月となりました。少子高齢化が進んでいるのを年々強く感じていますが、それでもこの時期には鯉のぼりが空に泳ぐ姿を目にして、ほっとすることが多いです。田舎の鯉のぼりは、何というかまあ、とにかく、大きいです。高いです。10m位の高さは普通です。 現在中学2年の長男が生まれた時のことが今でも懐かしく思い出されます。「何でも自分でやる!」ということが大好きでまだ若かったので、一般的な鯉のぼりのように「業者さんに頼む」ということではなく、文字通り自分で立てることにしました。手伝いに来てくれた父と、その時通って来ていた研修生さんと僕とで、一日がかりで立てました。近くの杉の木を切り倒し、皮を剥ぎ、家まで運びました。それから、穴を堀り、納屋の屋根に上って滑車を設置して杉の木を引き上げて穴に埋め込み、補強用の支柱とボルトで結束。旗を立てて、鯉のぼりをロープに固定。近所の方も手伝いに来てくれました。無事完成した時の喜びは今でも忘れられません。高さは周りの鯉のぼりの半分程度の5m位でしたが、誇らしさでいっぱいでした。いい思い出です。 さらに、この話には続きがありまして…。当時の大家さん(95歳)が、村内の施設に入居していたのですが、何かの用事で会ういに行った時のことです。ひとしきり用が済んで雑談をしていたら、大家さんがこうおっしゃったのです。「椛島さん、おめでとう。鯉のぼり立てたごたるね。じゃあいっちょ、泳がせてもらおうかのお。」そして、手に持った袋から何やら取り出したものは…、そう、鯉のぼりだったのです。僕の父が購入してくれたのは3匹の鯉セットだったのですが、こうして、うちの鯉のぼりは4匹になったのでした。 それがもう13年前の今頃のこと…。そしてその3年後に熊本地震がありました。畔が崩れたり、ポンプが埋まったり、納屋が傾いたり、過労でぼーっとしていて機械に指をはさんで危うく切り落としそうな怪我をしてしてしまったりといろいろ大変でしたが、その日その日が必死で、今思えば懐かしいです。あの時、いただいた励ましやお見舞いには、今でも本当に感謝しております。そして、地震の翌年には、大家さんの娘さん達から「うちのじいちゃんも弱ってきたけん、後のことしっかり決めて契約とかしとかんといかんね」となり、それまでのご縁からの自然流れで、それまで住んでいた家と、隣の敷地の(大家さん夫妻が住んでいた)母屋と、その他納屋や土地田畑山林などの一切を跡取り的に購入させていただくことになり、今に至ります。そして、その田んぼを、今も大事に作らせていただいています。ご縁に感謝としかいいようがありません。 若者にエネルギーをいただきました♪ 2月にスタッフが卒業し、離れの家が空いたので、久しぶりにゲストを迎え入れて活用していくことにしました。先月は、元パティシエの26歳の男性と、ミニキャンピングカーで日本1周中という22歳の女性が数日間ずつ滞在していかれました。前者の男性は、島根県の海士町というところで2年間地域おこし協力隊として暮らして、田舎で養鶏をやりながら暮らしたい、と決断…。後者の女性は、「愛農学園」という、知る人ぞ知る「日本で唯一の、全寮制、有機農業に特化した農業高校」という学校の卒業生です。農業法人で4年弱働いた後、「2年位の予定で、日本をめぐり、いろいろ学びたいんです」と旅をしている…。というなんとも素敵な若者たちでした!女性のほうは、「農バンライフERINA」というアカウントでインスタやyoutubeもされていますので、よかったらご覧ください~。よかったら「愛農学園」もご検索どうぞ~。こういう若い人が田舎で活躍してくれたら、過疎化が進む日本の農村でも希望がもてるなあ、鯉のぼりが増えるかなあ~、と感じさせるよい出会いでした♪ 先が見通せませんが、とにかく今年も淡々と植えていきます さてさて。日常生活で、中東情勢の影響が大きくなってきましたね。農業生産においても、ありとあらゆるものが値上がりしています。ビニール資材などは、手元の記録を見てみたら、6年前の倍の価格となっていました。肥料や資材の中には入手自体が困難なものもでてきています。今のところまだ通知は来ていないですが、送料もおそらく値上げになるのでは、と思います。とにかく一日でも早く落ち着いて欲しいですが、不透明な状況はこの先も続きそうですね。それゆえに、やはり国としての食糧自給や、主食であるお米の安定生産という課題には敏感にならざるを得ません。 うちとしてはとにかく需要に応えられるように、淡々と淡々と、今年も植え付けをしてくのみです。明日、稲の種まきの予定です。60㎝×30㎝、深さ2.5センチ位の箱に土を入れて、種もみ(つまり、米です)を播き、田んぼの一角に並べて育てていきます。今、久しぶりにちょっとしたぎっくり腰気味な違和感があるので、どうしたものかと案じています。息子も頼りになってきたし、まあ、どうにかなるでしょう。 ひと月半位苗を育てて、田植え機で植えていきます。田植えって、面白いもので、なんなんでしょうねえ、稲作民族のDNAなんでしょうか、理屈じゃ説明しようがない高揚感を覚えるから不思議です(笑)。毎年同じことをしているのですが、それでも毎年かならず新しい気づきがあり、飽きるということはありません。 田植え後すぐの頃に、水路にはゲンジボタルが舞い、田の水面にも光が映ります。夜はカエルの大合唱となります。ありとあらゆる生き物が生を謳歌しているように見える季節です。当然、雑草もぐんぐん生えます。どこかで読んだ話ですが、世界の大多数の国では、「荒地」という言葉で、草が生えない荒涼とした土地を思い浮かべるのだそうです。熱帯や温帯の一部の国の人だけが、「草ぼうぼうの土地」を思い浮かべるのだそうです。 その豊穣の土地で、もっとも土地に合う作物である、米。米が主食だからこそ、狭い国土で、これだけの人口を養えてこれた、とも言えます。今後、どのような状況になっていくのでしょうか…。農家としても不安がもちろんありますが、とにかく、目の前の稲と向かい合い、美味しいお米が沢山とれるように、今年もやるべきことをしっかりやっていこうと思っております♪ 5月1日 椛島農園代表 椛嶌剛士
