2026/06/07 06:31
農繁期です~♪ 皆さまこんにちは。6月に入りました。あともう少しで一年の半分が折り返しですね。早いものです。最農繁期真っただ中で疲れもたまってきていますが、若い時みたいな無茶な働き方はせずに、睡眠時間確保第一で、日々やっております~。春に新しく入ってもらったスタッフさんたちにもだいぶ仕事に慣れてきてもらって、おかげで僕も少し余裕ができてきて、予定よりかは多めに夏野菜を植えることもできました。この農繁期は、週に1回半日程度のスタッフさんが9人+妻も同様にちょっと手伝ってもらう、という感じの体制でいくことになりました。3カ月位前には、どうなることかと不安いっぱいでしたが(笑)、まあなんとかなってきたな、という感じです。よかったよかった。 今年は、玉ねぎが大豊作でした。北海道に次ぐ産地である佐賀でも大豊作だったようですし、こういう年もあるものですね。長年あともう少しというところでうまくいかずに悩まされていた、乾燥→冷蔵、の作業工程が、今年はばっちりうまくいき、去年導入した冷蔵庫に入れて、年末くらいまで貯蔵して出荷できるのでは、と採らぬ狸の皮算用をしています(笑)。ジャガイモもいい生育具合で、梅雨の大雨前になんとか掘りあげてクーラーを効かせた貯蔵小屋に入れ込みたいです。忙しいけど、毎年少しずつ進めてきた、貯蔵のための設備投資の効果がでてきたので、嬉しいです。 タニシさん、今年もお世話になります! 今、田植え前の「しろかき」という作業をしています。土に水を入れて、トラクターでトロトロになるまでこね回して、雑草を埋め込むとともに、表面を平らにしていく作業です。この、「表面を平にする」ということは、すなわち、「水の深さを均一にする」という作業です。無農薬米の場合の、除草にはいろいろな方法がありますが、まずは「水の深さを均一にする」というのが基本なのです。稲はもともと亜熱帯の植物なので、田植え後はなるべく水温を上げるために水を浅く張ります。でも浅くしすぎると土が見えます。その状態だと、土に酸素が入り、雑草の発芽にとっていいコンディションになるので「よっしゃ~、芽を出したるぞ~」という感じで雑草が生えるのです。なのでそれを防ぐためには、田が平らであることが大事なのです。 さらに…、うちが一部の田で取り入れている「ジャンボタニシ除草」除草でも、まさに水の管理が生命線、なのです。「ジャンボタニシ」とは、1981年に、食用として日本に1981年にはじめて持ち込まれた淡水生の貝です。結局日本人の口に合わないということで養殖は廃れて、結果的に野生化したジャンボタニシが西日本全域の平地のほぼ全域の田んぼや水路にいます。アメリカザリガニやウシガエルと同じような感じです。田植え直後の柔らかく小さな稲を食べてしまうということで、一般的には農家から忌み嫌われています。標高の高いところには普通いないのですが、うちの回りでは、ちょっと特殊な事情で、います。「火山の影響でやや水温が高い地下水」が出るところがあって、その水を活用したジャンボタニシの養殖業者さんが、隣の集落に昔あったのです。そこから野生化したものが、標高が高いにもかかわらずまだ生き残っている、という特殊な環境、というわけです。 そもそもこの日本の現状、ジャンボタニシにとっては、実に気の毒な話です。勝手に日本に連れて こられて、やっぱり要らないわといわれて、野生化して、たまたま原産地の環境に近い環境が、日本においては「田んぼ」だったというだけの話です。その結果害虫と呼ばれてしまう悲しさたるや…。 そんな中、2000年代初頭のころといわれていますが、無農薬栽培をしていた農家さんが、気づいたのです。「あれ、彼らは、食べたくて稲を食べているんじゃなくて、食べるものがないから食べているんじゃないか?」と。そう、まさに、それが事実なのでした。そして逆手にとった除草法が無農薬栽培の農家の間でその技術が広まりました。 椛島農園の田んぼでも、そんなわけで、ジャンボタニシがいる一部の田んぼではジャンボタニシ除草を行っています。具体的には…、①まずは徹底的に田んぼを平らにする ②彼らに食べられないように大きくて丈夫な苗を育てて植える ③田植え後10日位は、稲が生きられギリギリの水の浅さにして、彼らが自由に動き回れないようにする(水がないと彼らは土に潜って休眠するのです) ④稲の根が張ってきて、苗がより硬くなり、もう食べられない、というタイミングで水をある程度深くする。 ⑤結果的に、ジャンボタニシたちが土から出てきて「稲は硬いから食べたくないけど、生えてきた柔らかくて小さな雑草を食べよう♪食べ放題だ♪」という感じで雑草を食べてくれる。という除草法です。もちろん、①や②がうまくいかないと、稲を食べられるリスクもありますし、寒波が厳しい冬のあとには、彼らの個体数も少なくて草を食べきれないので、彼らがいない田と同様に、機械で泥をこねくり回すという除草もします。去年は一枚の田んぼを草ぼうぼうにしてしまって、丸2日かけて手で草を引っこ抜きました(笑)。 タニシから生態系や善悪を考えてみたけど…、 生態系をかき乱すことなので、もともといないところにタニシを入れるのはご法度です。とはいえ、そもそもいったん住み着いたものは、排除することはほぼ不可能です。その場合は、農薬で殺す、ではなく、開き直っていっそ共生していくのもよいのでは、と思ってうちではジャンボタニシ除草をやっています。ちょっと斜に構えた考えですが、生態系という観点で見れば、稲もまた外来種であり、稲だけが見渡す限り植わっている田んぼという環境も「自然」ではなく「ヒトが土木工事を続けてきて作り出して守ってきたもの」です。もしヒトがいなくて田もなければ、もともといた生物や生態系にとっては、そのほうが幸せです。でも、田があることによって生まれる新しい生態系もあるわけで…。 生物学の世界には、いい生き物とか悪い生き物という概念は無いのだそうです。そのように考えると、何かに善悪をつけることの難しさや危うさを感じます。とはいえ、自分はヒトだし、日本人ですから、やっぱり美しい田や、里山の生態系は守っていきたいなあ~、と本能で(?)思ってしまいます。というわけで、いろいろ理屈は脇において、とにかく今年も米作り頑張ります!。何やら支離滅裂な文章となってしまいましたが、最農繁期なので、タイムアップということにさせてください。早く書き終わって田んぼに行かなくちゃ~(笑)。梅雨の大雨も気になる時節ですね。どうぞ皆様ごきげんよう~。大雨にはお互い気を付けましょう~。 6月1日 椛島農園代表 椛嶌剛士
